体験ダイビングに限らず普通のダイビングでもあまり泳力は必要とはしません。

なぜかというと、息継ぎする必要もなく、普通に海の中で呼吸が出来るからです。

これについてもう少しわかりやすく説明しますね。

人間の体は本来水の中に入ると浮いてくるものなんです。

これは人間が呼吸する上で肺に空気が入るわけですが、これが浮き輪の様な役割を果たすからです。ダイビングをする時にはウェットスーツを着て潜ります。

これ自体がネオプレーンゴムと言う素材で出来ていてこちらも浮力があるものなんですよ。

ですからウェットスーツを着ただけで人間の体は沈む事が出来ない状態なんですね。

そこへ重い器材を着けて潜るわけです。

浮力は重りを着ける事で潜れる状態になりますが、タンクから空気を吸いながら潜るダイビングは息継ぎをする必要がありません。

実際水の中でレギュレーターを加えて空気を吸いながら泳ぐとちょっとした感動を覚えます。魚と同様に水の中で呼吸ができるからです。

水泳は腕の振りと足を両方使いますが、ダイビングに使うのは主に足だけです。

その足にもフィンをつけているので通常のバタ足とはくらべものにならない程の推進力が楽にでます。

手は楽にお腹の辺りで組んで足だけで前に進むのがダイビングの仕方です。

そして、足のふり幅をなるべく大きくゆっくりと動かす事で自然と前に抵抗なく進むのがダイビングの泳ぎ方なんですね。

どうですか？とっても簡単でしょう？

体験ダイビングで初めてスキューバユニットを使う事になるので、それについても説明します。ジャケット状になっている物はＢＣと言って内部に空気を送り込む事が出来ます。

必要に応じて使われますが体験の場合はガイドやインストラクターが操作するので体験ダイバー自身では使う必要はありません。

レギュレーターは背中のタンクに繋がって空気を送っています。レギュレータ－を吸えば口の中に空気が入ってきます。

あまり緊張し過ぎると、呼吸が速くなりすぎるので気をつけて下さいね。

ポイントはゆっくりと「そば」を吸うように呼吸をする事です。

息を吐くとレギュレーター脇から泡となって海中に出て行きます。

ここでちょっと一言。

人の吐きだした空気の泡は海上へ行くほど徐々に大きくなっていきます。

下から自分の吐いた泡の行方を追うように見上げてみると大きな泡が外の太陽に照らされてキラキラと輝いてキレイに見えるんです。

水深のある場所だと、バブリングと言ってフワッと空気が輪になってゆっくりと上に向かって上がっていくに従ってリングが大きくなっていく様子が見て取れます。とても感動的です。

先ほど、呼吸が速くなりすぎる事に注意すると言いました。これについてちょっと説明します。

理由①呼吸が速すぎて空気があっという間に減ってしまう。

初心者なのである程度はしょうがないのですが、タンクに入った空気の量は限られています。普通なら40分位潜っていられる量が入っています。でも呼吸の速い人が使うと20分位で空気の残量が少なくなってしまいます。

せっかくの体験ダイビングです。なるべくゆっくり楽しみたいですよね。

理由②過呼吸を起こす事もある。

陸上でも呼吸が速くなりすぎると具合が悪くなる人がいます。

人は息を吐いて空気を吸います。過呼吸は吸おうとするあまり、息を吐く量が減ってしまい結局体の中に空気が入りにくくなってしまいます。

過呼吸の状態は一緒に潜っているガイド、もしくはインストラクターがすぐに気づいて、「ゆっくりと呼吸して」と手持ちのホワイトボードでアドバイスしてくれますから、その通りにすればいいわけですね。

後は潮の流れに添ってゆっくりと足を動かせば体は自然と前へと進みます。

信じられない程自然に進んでいく様子は一種のお魚体験の様です。

どうですか？息継ぎの必要が無い水の中での呼吸。今まで感じていた「泳げない」を理由に躊躇していた事なんてとても小さく感じてしまうはずですよ。

近くにいるトロピカルなお魚たちとゆっくりとした時間を過ごせば体験ダイビングが大成功した事になります。

お魚だけでなく、ウミガメにも会える宮古島なら最初は「泳げないから」なんて及び腰になっていた事なんてすぐに忘れてすっかり宮古島の海の魅力のトリコになってしまいますよ。

そしてすぐにまた海が恋しくなってくるに違いありません。